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タイムグラファーはどうやってあの線を出しているのか

ドットを紙に刻印し、グラフを描画することで時計の調子を見るタイムグラファーの仕組みはどうなっているのかというと、

以下、時計修理技術読本から抜粋

すすみおくれの測定をするにはこの音を標準の振動をするものとくらべ、その差を紙の上に記録させることにより行われる。

測定器の主要部分は次の四つから成っている。

(1)標準発振器

(2)マイクロホン

(3)増幅器

(4)表示装置

標準発振器としては、水晶発振器か音叉が使われます。最近の測定機では殆ど精度の高い水晶発振器が使われている。

記録式測定機の構造を概略つかむためにビブログラフの例を上図の図式で示した。測定機には二つの別個の電気的な系列がある。図式の左に示したのは標準を与える部分で、水晶発振器から発生する標準の振動を分周器で低い周波数におとし増幅してモーターがまわされる。したがってモーターは水晶発振器に制御され、正確な回転数を保ちます。モーターは回転ドラムをまわす。ドラムには、つる巻き状の凸起がついている。

図式の右側の部分はチクタク音を受け表示装置に伝える系列である。時計の音はマイクロフォンによって電気的な変化に変えられて増幅機で増幅される。それがリレーを経るとパルスとなり、リレーに接続された電磁をパルスが与えられる度に励磁するのである。電磁石の上には鉄製の棒があって電磁石が励磁される度に引きつけられるようになっている。この鉄製の棒はプリンターアームと呼ばれ、その先は回転ドラムの上まで延びている。プリンターアームと回転ドラムの間にはインクリボンと記録紙が通っている。音がマイクロホンに入らない状態ではプリンターアームとドラムは離れているが、チクタク音を受けてアームが下に引張られると回転ドラムのつる巻き状の凸起の一部分を打ち記録紙には打点がしるされる。

回転ドラムはいつも一定の回転数でまわっているので、もし時計の振動数がドラムの回転数と一致するとプリンターアームはいつもドラムの凸起の同じ場所を打つことになる。両方の振動数、回転数に少しでも差があると打点の位置は左右のどちらかに移動する。記録紙を一定の速度で送ると、振動数が正確に一致したときは紙に平行な打点列ができる。すすみおくれがあるときは左右どちらかに傾斜した打点列ができる。そしてすすみおくれが大きいほど打点列が大きく傾く。もし振動数が一様でなくばらつくようなときは打点が乱れるし、雑音が入ればやはりバラバラになる。この雑音は時計内部から出ることもあるし、外界の音をマイクロホンが拾うこともある。

抜粋、ここまで

時計修理読本

小野 茂・菅波 錦平 共著 発行・東京・大阪・村木時計株式会社


時計の音を拾ってドットで線を書くので、何となく基準信号と入力を直接比較している様に感じますが、実際にはスパイラルドラムを使っているので、切れること無くリニアに反応します。最後に書かれている様に関係ない不意の入力にも反応できるのです。

もちろん、いろいろな方法が考えられるので、基準信号と直接比較する方法も考えられるかもしれません。

デジタルな方法では割り込みを使って信号を補足する方式の測定器(ウオッチテスタ WT-2000 もあるようです。私も当初似たような方法を考えましたが、結局、びぶ朗ではこの方法は使っていません。CPUの処理能力のすべてを信号処理に使わなければならなくなると考えたからです。マルチタスクを前提とする環境では無理な仕様です。

以前、Watch ExpertⅡの中をこっそりのぞいたことがあるのですが、あまりにあっさりした回路構成にびっくりしました。どんなチップを使っているのかはさっぱり判りませんでしたが。どうやって測定しているんでしょうねぇ。


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